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2010年9月 4日 (土)

黒揚羽蝶

小生が手賀沼と松ヶ崎城の歴史を考える会に入って、もう6年になります。その間、いろいろあったのですが、地域の歴史、自然を次世代に受け継ぐことは、言うまでもなく重要なことで、そのよすががなくなってからでは遅いということを痛感しています。

会に入って1年位してからですが、花野井の歴史散歩という催しがあり、参加しました。その頃は忙しいながらも、まだ自分のHPをある程度更新するくらいの気力はあり、柏市花野井の歴史散歩の結果をブログに書いて、HPにもリンクしました。その歴史散歩の日に総会があるとのことで、花野井の香取神社の横の集会所を借りて、会議をしましたが、その時小生の横に座っていた男性が急に立って怒ったように、ちゃんと机を並べてやらないとダメだ、と言い出しました。それで、折りたたみの長机を出し、座布団を並べ始め、初対面の小生にも「あんたももたもたせずに手伝って」と言って手伝わせたのです。

<花野井の香取神社>

Katori1

その人は、後に事務局長になったHさんでした。強引な人もいるなあと思いながら、言っていることはまっとうなので、小生はHさんと一緒に机を並べました。

その後、Hさんは会の幹事になり、城跡に掲げる「松ヶ崎城跡」の横断幕を作ったり、急に竹炭を焼き出したりしました。さらに事務局長になると、会の活動にますます熱心になり、自然環境を守るということで、自分自身も別の地域の団体に教えをこいにいったり、大学の専門分野で学ぶために再入学したり、はては草刈り機なども自前で買ってきたりして、熱心にやっていました。

それで、会や関係者の何人かの人は、一緒に炭焼きをしたりしましたが、そういう行動に反発する人もいました。小生は、歴史の会だと思って入会した口ですので、Hさんとは別の形で保存を考えていたかもしれません。「保存」というと、自然環境を守るという人たちは、木を一本切るのもNGというかもしれませんが、遺跡の保存を第一義に考える人間にとっては、極端に言えば遺跡や周辺に草木など別に生えていなくて構わないのです。ただ、草も木もない、土くれだけの丸坊主では、見栄えも見たときの気分も良くないかもしれません。

小生も、Hさんが一生懸命なのは分かりますが、やろうとしていることが、余り良く分かりませんでした。Hさんも、歴史については、余り口出ししないようにしているようで、小生とはけんかにもならなかったのです。

やがて、小生が副会長になり、役員会の常連は会長代行とHさん、小生となると、毎月顔を合わせるHさんが周囲にかなり気を使っていることがわかったのです。

しかし、草刈りは一人でやってしまう、竹炭作りでも誰も来なくてもせっせと竹を集めてきて、焼く準備をしているというHさんの姿は、今松ヶ崎城跡にも、どこにもありません。

去年の秋頃から体調不良を訴え、その後癌だと告白してから、一度入院、3月には一旦退院して、今年の総会の行われた日、講演会や事後の講師を囲む食事会にも出てきたのですが、基本的には昨年暮れ以降ずっと闘病生活で、遂に7月にお亡くなりになりました。亡くなる直前にお見舞いに行ったときは、まだ言っていることもしっかりしていましたが、しきりにやりたいことがたくさんあったと言っていました。前の会長や小生は面会できましたが、その数日後にお見舞いに行った人たちはもはや面会できませんでした。

Hさんが亡くなった直後、松ヶ崎城跡に、柏市から紹介された自然環境のグループに来て頂き、城跡の植物を見て歩いたのですが、アキノタムラソウ、ジュウニヒトエ、コムラサキ、ヒヨドリバナ、キンミズヒキ、ミズヒキ、ヤマユリ・・・など、小生の知らない貴重な草花も含めて、結構草花の種類も豊富にあることが分りました。

<アキノタムラソウ>

Akinotamurasou

「あっ」と自然環境のグループの人も驚き、一眼レフのカメラにおさめていた大輪のヤマユリ。花弁が、ぎざぎざしたような形で、真っ白ななかに鮮やかな黄色とオシベの橙色が印象的で、神々しいほどでした。こういう草花を見ることは、自然の尊さを知ることにもつながっていくと思います。

もしかすると、Hさんのやりたかったのは、こういうことだったのでしょうか。竹炭を焼くのに、地面の上に釜をしつらえ、火力の調整のために特殊な温度計で測っていた姿、黙々と草刈りをしていた姿などが、鮮明に記憶に残っています。

後日、Hさんの供養のため、城跡に線香を供えたのですが、その折ヤマユリの周りを大きな黒揚羽蝶が飛んでいました。

<城跡に咲いていたヤマユリ>

Yamayuri

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