ジリオラ・チンクエッティ の日本語の歌
ジリオラ・チンクエッティの歌には、意外に日本語のものがあるものだ。イタリア語は、母音の発音が割とはっきりしており、イタリア人にとって日本語になじみやすいのかもしれない。
サンレモの女王として、ジリオラ・チンクエッティをスターダムに押し上げた「雨」も、オーラはクリアな日本語で歌っている。「雨」という題名であるが、テンポの速い曲で、軽やかな感じである。前奏からイントロ部分が、雨だれをあらわしているらしい。
<日本語バージョンの「雨」>
<サンレモで歌った「雨」(1969)>
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サンレモでは、バックコーラス付きで昔ながらのフルオーケストラの演奏で歌っている。古いので音質が良くないが、オーラも少しポーズがぎこちないのは新人らしい。この曲は、何年か前にトヨタ自動車のCMソングになった。
また、「夢見る思い」(NON HO L'ETÀ)も、オーラの代表曲であり、小生も好きな歌の一つである。これも日本語で歌っているが、巻き舌がところどころに混じり、聞いているとちょっと調子がくるってしまう。べらんめえ調で、愛を語るのは変である。
<「夢見る想い」>
フランス・ギャルが歌う日本語バージョンの「夢見るフランス人形」などは、いかにも外国人タレントの歌う歌に聞こえるが、オーラの場合は日本人が歌っているように聞こえるのだから不思議である。
<フランス・ギャルの「夢見るフランス人形」~日本語>
ダニエル・ビダルも、日本語で歌っていたが、やはり同じような感じである。なお、フランス・ギャルが日本でも本国のフランスでも有名な歌手だったのに対し、ダニエル・ビダルは日本では有名であるが、本国のフランスでは殆ど無名に近かったようだ。ダニエル・ビダルのデビュー曲は邦題「天使のらくがき」であるが、そのレコードはフランスではなく、日本で発売された。ただ、ダニエル・ビダルは、シャルル・アズナブールと同じグル―プにいたことからもわかるように、単なる外国人タレントではなく、ちゃんとした歌手ではあった。
<ダニエル・ビダルの「小さな鳩」~日本語>
<ダニエル・ビダルの「天使のらくがき」~フランス語>
なんだか、聞いていると、ノスタルジーの世界に浸ってしまうような感じである。
サンレモで「雨」を歌ったときの、ジリオラ・チンクエッティの開放感ある歌いっぷりが、非常に懐かしく感じる。オーラは、元祖「癒し系」だろうか。
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